2016年6月21日火曜日

中日新聞に掲載されました ~アメリカ銃乱射事件に思う~

6月14日の中日新聞朝刊39面に、ボクのコメントが掲載されました。
12日に起きたアメリカのフロリダ州銃乱射事件についての電話インタビューを受けての記事です。

中日新聞20160614

「LGBT(性的少数者)への理解は進んでいるが、生理的に受け入れられない人がいる。
表面的な人権意識で抑えている差別感情が膨れ上がらないか・・・」
自身、同性愛者の名古屋市北区の心理カウンセラー、きまた宗則さん(53)が声を落とした。
きまたさんが同性に強い興味を持ち始めたのは小学5年生のころ。
同級生からは「なよなよしている」「女みたいで気持ち悪い」と言われ、苦しんだ。
大人になっても街中で同性愛者のことをおもしろおかしく話す人の声が聞こえるたび悲しんだ。
仲間うちでは女性が好きなふりをし続けた。
40代後半で同性愛者である自分を受け入れられるようになり、公にした。
「カミングアウトできずに悩み、自殺してしまう人もいる。
今回の事件によって差別への恐怖が大きくなり、本当の自分を閉じ込めてしまう人が増えないでほしい」


また、この新聞掲載を受けて、卒業させていただいたNPO法人コアカウンセリング支援協会のホームページの最新ニュースにも取り上げていただけました。

アメリカ銃乱射事件にみる社会的少数派への偏見
http://www.shinri.or.jp/news.html

このインタビューをお受けして、いろいろな有識者のコメントに並び、いちばんに載せていただけたのは、非常に恐縮いたしました。
かなり長時間のインタビューでしたが、これだけの紙面を割いていただいて本当に嬉しい限りです。
しかしながら、内容は非常に痛ましいもので迂闊に喜んではいられません。
米国内の銃乱射事件では、過去最悪の犠牲者を出すことになってしまいました。

中日新聞2016年6月14日朝刊記事

インタビューでは、アメリカの銃社会の話題にも及びました。
銃社会ではない日本の場合、何を思うかという質問もお受けし、LGBTフォビアが憎悪にまで膨れ上がった場合には、手段を選ばないと思うので、銃社会であるかどうかはあまり関係ないと思うとお答えしました。
嫌悪感が差別どころではなく憎悪にまで発展してしまうことは、日本でも起こりうることかもしれないととても危惧します。

その後、犯人は隠れゲイであった可能性も浮上し、コメントさせていただいたニュアンスは微妙に変化してきました。
差別感を持ってしまう環境には、社会が多様性をどのように理解していくか、という受け入れ態勢が重要な役割を持つと思うけれど、もし、犯人が本当に隠れゲイであったとするなら、隠さなければいけない社会であったことは、とても大きな問題だと思います。
なぜ、犯人はこうした事件を起こすことになったのか、銃を規制するとか以前に、しなければいけないことがあるように思います。
どうしたら、犯人のような行動を起こしてしまう人を作らないようにできるか、どうしたら、このような大勢の悲しい犠牲者を出さずにすむか。
みなさんも、今いちど、少しだけ考えてみて欲しいと思いました。

これを読んでくださる方が、個人的に差別意識を持っているとは思いません。
ただ、今のままにしておくということはどういうことか、「社会が性の多様性に理解を示さない」ということはどういうことなのか、積極的に理解をしようということはどう社会全体が変わっていくことなのか、人ひとりの意識がどう社会を変えていくことになるのか、距離を置いていたり自分とは関わりのないカテゴリーの人たちと位置づけることがどういうことにつながっていくのか。

ほんの一瞬、考えてみてください。
誰もが生きやすいやさしい社会になるために。

おそらく、同性婚を認めるとか、制度や法律を変えて行くとか、それも必要なことだけれど、ひとりひとりの小さな意識だけで、大きく社会は変わっていくと、ボクは信じています。

新聞記事を、このブログを読んでくださった方、本当にありがとうございます。
嬉しいです。

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